考え方1:お客様の期待に応える
通販のバナーでも、コーポレートサイトのメインビジュアルでもここの考え方は同じで、まずは対象となる人の期待と同じであれば大きく失敗することはありません。
焼き鳥が食べたい人にきれいな風景を見せても始まりません。
単純に炭火で焼かれている鶏肉がいいわけです。
期待値が複数あると難しくなってきますし、実際、どんな商品・サービスでもいろいろあって普通です。
例えば調味料専門店。
料理に使う人と食卓で使う人とでも何を求めるかは違いますし、辛いもの好きの人とオーガニック好きの人でも違います。
どこを攻めるか、対象を絞らなくてはなりません。これが難しかったりします。
どんなお客様かをイメージする
これはあくまでビジュアルを考えていくうえで想定するイメージです。
マーケティングな意味で考えるイメージとは少し違います。
デザイナーが思考する中で生み出していくイメージなので、まずは妄想でオッケイです。
マーケティングでやるように検証してどうこうというのではなく、想像力を働かせてイメージします。
いわば仮説を立てるわけです。
検証はその後ですので、まずデザイナーは妄想で生み出します。
この妄想ではステレオタイプが役に立ちます。典型的なイメージをつくります。
出来れば、実在する人がいいです。
その人をアレンジしてもいいとおもいます。
リアルな人物を一人選びます。その人に見せるつもりで作ります。
その人をどんな気持ちにしたいかを考えていきます。
単純な価値観をイメージする
その気持ちもあまり複雑でないほうがいいです。
そうまじまじを見てもらえるものではないので、ぱっと感じる印象だけを考えます。
よくみたら実は深い、みたいなのは必要ないです。
単純な感情、うれしい、たのしい、悲しい、寂しい、美味しい、熱い、暑い、寒い、安心、不安、驚き・・・
簡単な一言で表せられる感情をイメージします。
シーンは具体的に考える
妄想していくとき、どんな人がどこで何をしているとき、というのは具体的に考えます。
そのシーンが思い浮かぶくらい細かく考えます。
仕事をしている30歳くらいの女性が出勤前の朝食時、食卓で椅子に座って、お茶碗を手にしたとき・・・というふうに。
感情が発露するシーンはこまかく具体的に考えていきます。
それはそういうシーンを作るためではありません。自分自身がその感情を共感するためです。
たとえば一言で「うれしい」といても、朝食のテーブルでご飯を目の前にしたときのうれしいと、宝くじで高額っ当選した時の「うれしい」は違うわけです。
このニュアンスの違いはとても重要です。
まずは自分が共感できないと、人に共感を求めるためのビジュアルを家庭で作ることもできませんから、まずは自分が共感をする。そのための妄想です。
もしくは、制作チームで価値観を共感するためにその妄想を共有することもありますが、あくまで仮説を立てるための感情をイメージするための作業です。
共感した感情にマッチするイメージを探す
ここまでくれば、後はマッチするビジュアルを探します。
写真素材を使う場合は素材サイトで、撮影する場合はどういうシーンを作るかのヒントになるイメージを探します。しっかりイメージできていて自分で撮影する場合はいきなり撮影準備に取り掛かってもいいです。
誰かと共有するときはイメージを探して共有するのがいいです。
そして苦悩が始まります。
「感情」はとても曖昧な情報ですが、自分の中では確かな情報です。
自分の中では確かなのですが、本来言語や絵とは違う情報です。
感情を表現するとは、常にその言語にはない単語を翻訳するような作業を伴います。
言語化するときに、いままでにない新しい価値観を生み出すようなものです。
「うれしさ」のバリエーションを、たとえば原稿用紙10枚使っていいと言われたら表現できるかもしれません。それを写真一枚の印象で伝えるわけです。
具体的にイメージするのが重要なのが、それがこの作業をいくらか軽減してくれるからです。
雲の向こうの太陽を思い描くような、そんな楽しい仕事です。
考え方2:我を貫く
2022年の我々の年賀状の様に、だれが見るかを無視したものも、場合よっては有りです。ww
ありというか、無しなんですが、ありです。
何か直接的な効果を期待するならやめておいた方がいいです。
我々が何を期待したかというと、長期的なブランドイメージです。
なにかにつけてアート性の高い情報発信することで、そういう意識を持っているんだってことを認知してもらえたらというのを期待しています。
評判は悪くはありません。
でも、短期的には何ももたらしません。
なんか、変なことするなーって思ってもらえたら成功です。